書籍文献 1

Aquaien Atlas 1-5.
1977-1997. Hans A. Baebsch. Dr.Gero W.Fischer. Mergus Verlag GmbH. 各1100頁以上. Germany.
ドイツ語版,英語版.

おそらく、現在出版されている熱帯魚関係の書籍のなかで、最も多くのカラー写真を掲載している淡水魚辞典。1〜5巻までの各巻が、全て1000頁を超える。

1〜3巻までは、英語版も出版されているが、それ以降はドイツ語版のみとなっており、翻訳の待たれるところである。

以前は1冊¥8000ほどしたが、今回プラゼールでは特価¥5500で提供します。
ハードカバーのみ。 

Aquaien Atlas Foto Index.
1998. Hans A. Baebsch. Dr.Gero W. Fischer. Mergus Verlag GmbH. pp.1215. Germany.ドイツ語版.

上記アトラスの目次本?である。ただし普通の目次ではない。
1〜5巻までに掲載された全ての写真をそのまま縮小し一冊にまとめてあるのである。写真の下には、何巻の何ページに詳しい内容が書かれているかを示す数字があるので、より詳しい内容が知りたければ、その巻を当たれば良いわけである。

ただし、内容は上記のように英語かドイツ語であるので、一般の方には不向きだろう。ただ写真でおよそのことは分かるし(生息地、水質データなども表記してある)、学名を探るには便利である。4600カラー写真というから、凄まじい分量である。

おそらく、現在出版されている図鑑類の中では、最もカラー写真が多い図鑑である。世界中の淡水魚を網羅しているため、色々な種類を調べるときにも便利である。 コリドラスに関して言うと、残念ながら多少学名の誤りがあり、鵜呑みにするのは危険である。価格はソフトカバー¥5000以下と、洋書としては格安である。1冊ぐらい置いておいても、けして損の無い書籍と言える。

プラゼール水生生物研究所お勧め。 この本ばかり売れるので(1〜5巻が売れないので)、出版もとで増刷しないとの噂あり。

Corydoras 1993.
Werner Seuβ. Dahne Verlag. pp.281+地図. Germany. 英語版.

コリドラスの図鑑としては、最も装丁のしっかりしている書籍。
図鑑としての体裁を整えていて調べやすい。ただし、図鑑の命ともいえる正確さには今一歩というところである。写真の無いものについてはイラストが描かれているが、どれもお粗末。アマチュアのお絵かき程度である。それも別種に同じイラストを付けているなど、いいかげんさもある。それらに目をつむれば、種ごとの個別データ、生息地、南米での分布図などがあり便利。

他の書籍では載っていない種の写真(シュタインダクネリーなど)の本物が掲載されている。一見の価値あり。価格は以前までかなり高価だったが現在では下がり¥7000位である(プラゼール価格)。

蛇足だが、以前フェア・ウインド出版の出したアクアマガジン第17号 CORYDORAS THE ALL はこの図鑑のパクリである。松坂實の解説のためか、元本の誤りをそのまま引用していて面白い。翻訳本として出版すれば役に立ったものを、いいかげんな解説でダメにしてしまった。「あえて迷宮のコリドラスにチャレンジした」のだそうである。何の事はない、パクった挙句に、台無しにしたのである。そしてこの本を買い、読んだマニアの頭を迷宮にしたのである。

All Corydoras. Aqualog.
South America. Verlag A.C.S.Glaser. Germany.ドイツ語版.

グレイサーというドイツの輸出業者の出した写真カタログである。
全ての写真に番号が振ってあり、業者が注文の種類を間違えないよう工夫してある。さすがはドイツ人、お節介なことである。

今までに輸入されたほとんどの種もしくは個体変異も含めカラー写真で載っていて楽しい。ハイブリッドも掲載されている。種名の間違えは相変わらず。ロングノーズアルクアータスがナルキススになっていることは、ドイツでは常識であるらしい。
最後の方のページには写真を追加できるようになっていて、新しい種類をシール(サプリメントシール)として貼り付けられる。現在4ページ分が頒布されている。これではおそらく、ページのほうが不足になるだろうが。

読むところはほとんど無い。データ類は記号で解説してある。これには日本語訳が付いている。価格は幾分高め。¥4000位である。

Ornamental Aquarium Fish of India.
1999. Kichri Lal Tekriwal and Andrew Arunava Rao. Kingdon Books. pp.144. England. 英語版.

インドの魚類に興味のある方は少ないとは思うが、この周辺諸国から出版された本としてはまともな部類に属するのではないだろうか。種類は多くないが、カラー写真での紹介は有難い。

古い文献はいくつかあるが、カラーのものは極めて少なく、大いに歓迎したい。査定に関する信信憑性は筆者ではコメントできないので悪しからず。価格¥7000位。

アクアマガジン第33号 コリドラス フェアウインド pp.149.

前回の17号と比較すると格段によくなった。
以前のものがパクリだとすれば、本誌はオリジナルと認めてよい。写真の質も良くなっている。種類もかなりの数を網羅している。解説にまとまりの無いのは致し方ないが、入荷の話など、変化してしまうどうでも良い内容は必要ないだろう。

観察を客観的に表現するにはより深く生物を知らなければならない。それができないとつまらないことを書いて原稿用紙を埋めるしかないのである。分かりやすく解説するのはそれ以上に難しい。内容は一応図鑑のように書かれているが、近縁種との比較など、肝心なことが書いてないのは残念である。

種の誤査定は相変わらずだが、そう多くは無い。目次が無いのは不完全であり不親切。せっかく良くできているのに、富沢氏や小川氏のオチャラケ文章が足を引っ張っている。価格¥1500。

Die faszinierende Welt der CORYDORAS
Pflege・Erfahrungen・Zucht 1997.
Werner Seuss. Landbudh-verlag GmbH, Hannover.ドイツ語版

比較的新しいコリドラスの図鑑である。 著者のウェルナー・ゾイスは、以前にも同様の図鑑(上記に紹介してある、通称青本)を表している。

今回の本書は、バインダーになっており、おそらくは今後増えるであろうコリドラス属魚種をファイルするための利便を図ったのもであろう。確かに、バインダーはそのために便利ではあるが、ページがややもすると破けたりするため、あまり保存性はよくない。サイズはB5変形版だから、書棚にも乗りにくい。

各ページ(1ページ1種類)には、生息地のカラー地図とカラー写真、見間違えやすい種類の白黒の図版が載っている。これは似た種類(ただ模様が似ているような種)と比較するために載せてあるのだと思うが、詳しい解説が無いので、分かりづらいかもしれない。

問題は査定の正確さだが、以前の青本と同様、かなりの誤りと、不正確な白黒図版が添えてあるため、鵜呑みにするのは危険である。そういう意味では少しもよくなってはいない。いかにも分かりやすい図鑑をイメージしているが、中身がさしてあるわけではない。種に関する、より詳しい解説が欲しいところだが、1種類1ページの原則を守れば、この程度の物しかできないだろう。

この本の価値と言えば、他では見られない写真が掲載されているところだ。C. boesemeni ボイセマニーのカラー写真は、今まで掲載されたことは無かったが、本書のそれは、おそらく本物であると思われる。

また、最近になって記載されたいくつかの種類 C. crimmeni, C. kanei(本書のスペルは canai となっており誤り)C. areio(おそらくフマッサ), C. spectabilis (テールスポットハラルドシュルツィー)のカラー写真が載っている。金銭的に余裕があれば、買ってみるのも良いかもしれない。\7900

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